形成外科
2014/10/22

形成外科シリーズ ④ 顔面骨骨折

■顔面骨骨折とは・・・■


事故やケガで顔を強く打ってしまった時、顔の骨が折れてしまうことがあります。顔も腕や足と同様、頭蓋骨という骨から成り立っています。顔面骨骨折になってしまうと、いろいろ困った症状が起きてしまいます。

■症状■


症状は、折れる骨の部位・衝撃の強さ・骨のズレの大きさ・受傷からの時間などによりさまざまです。

【頬骨骨折】

物が二重に見える、口が開きにくい、頬の皮膚の感覚が鈍くなる、目の位置がずれるなどの症状が起こり得ます。

【鼻骨骨折】

形の変形が主ですが、鼻の通りが悪くなることもあります。

【上顎骨骨折】

かみ合わせがずれますし、物が食べられなくなってしまいます。

これらの症状は、全て起きるとは限りませんし、複数の骨折が同時に起き、複雑な症状になるこもあります。また、受傷してすぐは痛みや腫れの影響で症状が分かりにくいこともあり、症状だけで判断するのは危険です。

■治療■


変形や症状の軽いものは、様子を見るだけで大丈夫なことが多いです。程度の重いものは、手術が必要になります。手術では、チタンという、体に影響の少ない金属のプレートを用いて、骨を正しい位置に固定します。
手術は、受傷後時間が経ちすぎると、骨が固まってしまって、非常に困難になります。1〜2週間以内の手術が好ましいと思われます。

■事故やケガのあとは・・・■


ケガしてすぐは、痛みや腫れの影響もあり、骨折は分かりにくい状態です。しかし、放置していると後々重い後遺症が残ってしまいますし、1〜2週間の時期を超えてしまうと、治療は難しくなってきます。脳など、命に重要な部位の検査が先決ですが、検査にかかる時間や手術の準備の時間を考えると、できるだけ早めの受診をお勧めします。