形成外科
2014/11/19

形成外科シリーズ ⑧ やけど(熱傷)

■やけど・やけどの後遺症■


やけどした場合の応急処置と、できるだけ障害を残さないための治療・後遺症の治療についてご説明いたします。

■応急処置■


すぐに水道の水でじゅうぶんな時間流して、冷却してください。こうすることで、早期の感染と、皮膚の障害が深部に及ぶのを予防することができます。冷えた濡れタオルなどを創部にあて、病院を受診して下さい。
氷を直接当てたりしますと、低温により皮膚が障害されてしまうので、逆効果です。また、その後何日も冷やし続けても逆に治りが悪くなりますし、面積が広い場合は低体温となり危険です。冷却しすぎも良くないのです。

■気をつけたほうがいい特殊なやけど■


【気道熱傷(のどの奥のやけど)・広範囲のやけど】

これらのやけどは、呼吸困難や全身状態の悪化を引き起こし、命の危険があります。病院での集中治療が必要になります。

【手足の指のやけど】

指は精密な動きをする場所です。ですから、やけどにより皮膚のひきつれを起こすと、機能障害が大きくなります。やけどの専門医の治療が必要になります。

【深いやけど(3度熱傷)】

皮膚が全て壊死してしまうような深いやけどでは、外科的な処置が必要になります。

■機能障害・あとが残るか?■


これらはとても気になる問題ですが、受傷してしばらくは分からないことが多いです。これらは、やけどした部位とやけどの深さによって決まります。
やけどの深さを1〜3度の3段階に分けていますが、2度の浅いものまでなら、後遺症は残らないことが多いです。
しかし、浅いものがその後の障害の広がりや感染により深くなることもあるので、適切な治療が必要です。

 

やけどの熱傷深度の度合い

■やけどの後遺症の治療■


関節が動きにくいなどの機能障害や、酷いあとが残ってしまった場合、形成外科ではさまざまな手術治療を行っています。これらは保健治療が可能です。
やけどは、障害されている皮膚の面積・部位・深さなどにより、その後の処置や重傷度も異なってきます。放置したり、誤った処置を行うと、重大な機能障害をおこすこともありますから、必ず医師の診察を受けて下さい。

 

術前術後のやけどの後遺症の治療