令和6年度

令和6年度 中頭病院指標

令和6年度 中頭病院医療の質指標

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 839 239 233 430 705 1156 1799 2595 2217 939

当院は沖縄県中部医療圏における急性期医療を担う病院として幅広い年齢層の患者さんへ医療を提供しています。
令和6年6月1日~令和7年5月31日の退院患者数は11,152人で最も多い年齢層は70~79歳の2,595人でした。
70歳以上の患者さんが全体の52%を占めています。
中部医療圏の人口は今後も増加・高齢化が予想されるため、当面はこのような年齢構成で推移していくものと思われます。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 279 11.5 16.40 27.24 85.71
010060xx99x20x 脳梗塞 195 11.96 16.94 49.74 74.94
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 194 5.79 8.88 3.09 72.6
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 180 15.34 20.06 31.11 78.44
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 176 3.45 4.18 0.57 71.38
肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上)
病院外で日常生活をしている人がかかる肺炎を「市中肺炎」といいます。
脳梗塞
脳に酸素や栄養を送る血管が細くなったり、詰まってしまう事によって脳が壊死、または壊死に近い状態になってしまう病気です。
胆管(肝内外)結石、胆管炎
胆嚢炎・胆管炎は、胆嚢や胆管に細菌が感染して起こる病気で、結石(尿に含まれる成分が結晶化したもの)、胆泥(胆汁内の結石となる前の泥状の浮遊物)と合併する場合がほとんどです。食生活の欧米化や高齢化に伴い発症率は高まる傾向にあります。

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 118 1.24 2.10 0 3.47
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 111 4.72 6.22 0.9 0.5
040100xxxxx00x 喘息 87 4.37 6.38 2.3 4.38
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満) 82 4.17 5.61 3.66 4
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 63 3.76 6.98 0 3.86

小児科は主に一般外来(同一法人 ちばなクリニックを含む)からの入院、近隣医療機関からの紹介入院、時間外外来(救急搬送を含む)からの入院となっています。
専門外来として小児アレルギーを行っており、アレルギーが疑われる食品を摂取し、症状の有無を確認する食物経口負荷試験目的で入院した「食物アレルギー」の患者さんが最も多くなっています。
次いで、気道感染を主とした感染症、喘息発作の患者さんが多くを占めています。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 130 2.68 4.54 0.77 65.15
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 119 3.98 5.50 0 62.03
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 104 7.32 9.77 1.92 62.91
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 73 3.3 5.99 0 58.25
060150xx03xxxx 虫垂炎 68 3.56 5.32 0 34.51

外科では24時間救急体制をとっており、救急疾患である鼠径ヘルニア、虫垂炎などの症例が多く、そのほとんどを身体に負担の少ない低侵襲な腹腔鏡下で行っています。
1991年に腹腔鏡下胆嚢摘出術を県内で最初に行い、現在では多くの分野(胆嚢、ヘルニア、大腸など)で内視鏡手術(腹腔鏡手術)を行っています。
術式によってDPCコードが異なり、「乳房の悪性腫瘍」は2つに分かれています。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 227 25.55 25.29 84.58 83.03
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 75 16.83 18.76 33.33 70.89
160760xx01xxxx 前腕の骨折 55 2.45 5.95 3.64 65.35
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 53 19.3 21.38 39.62 76.51
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 39 9.95 17.84 10.26 48.38

一般の四肢・脊椎外傷の他、関節変形性疾患(変形性膝関節症、変形性股関節症に対する人工関節置換術など)、脊椎変形性疾患(腰部脊柱管狭窄症などに対する椎弓形成術など)の治療を盛んに行っています。
股関節骨折・大腿骨骨折は平均年齢83歳と高齢の患者さんが多く、当院平均在院日数は26日と長くなっています。また、急性期治療終了後はリハビリテーションを集中的に行う回復期リハビリテーション病院などへ転院していただいているため、転院率が高くなっています。
自院のみで治療を完結させず、近隣の医療機関などと協力し、切れ目のない医療を提供しています。

形成外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 18 2 2.74 0 77.33
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 17 3.06 4.65 0 37.06
180060xx97xxxx その他の新生物 17 4.94 5.63 0 17.59
090010xx05xxxx 乳房の悪性腫瘍 15 4.6 7.26 0 48.73
160200xx030xxx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 13 2 3.31 0 25.54

形成外科は体のあらゆる「かたちの異常」の治療を行っている診療科です。「かたちの異常」は生まれつきのもの、ケガ・できもの(腫瘍)やその切除後などさまざまな原因で起こります。
眼瞼下垂(まぶたが下がって見えにくくなる病態)が最も多くなっています。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 56 16.71 18.68 69.64 71.18
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 39 14.15 9.83 41.03 79.87
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 30 9.87 7.99 23.33 72.6
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 29 15.9 22.21 62.07 72.55
160100xx99x01x 頭蓋・頭蓋内損傷 19.12

脳神経外科は非外傷性頭蓋内血腫の患者さんが多く、次いで頭蓋・頭蓋内損傷の患者さんが多くなっています。
頭蓋内血腫はJCS(日本で使用される患者さんの意識レベルを分類する方法)で分類され、JCS10は普通の呼びかけで容易に開眼する状態を意味します。
頭蓋損傷のDPCコード160100xx97x00xは手術が行われており、160100xx99x00xは手術は行わず保存療法、160100xx99x01xは手術は行わず保存療法でてんかんや誤嚥性肺炎を併発している患者さんの数を示しています。

※「病院情報の公表」集計条件に基づき、患者数が10名未満の場合は「-(ハイフン)」で表記しています。

産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
120170x199xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 64 18.31 19.47 10.94 31.27
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 37 5.16 5.97 0 52.03
120140xxxxxxxx 流産 29 1.69 2.44 0 31.45
12002xxx02xxxx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 24 2.38 2.92 0 47.54
120250xx97x0xx 生殖・月経周期に関連する病態 24 2.58 4.05 0 47.5

産婦人科は産科部門と婦人科部門に二分され、産科部門では初期の妊婦健診から正常経腟分娩はもちろん、予定・緊急帝王切開手術まで対応しています。
新生児の管理は小児科が中心に対応しており、安心して出産に臨める体制を取っています。
婦人科部門では、卵巣の良性腫瘍や子宮頸がん、子宮体がんといった悪性腫瘍の手術も行っています。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
020320xx99xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 12 4 7.87 0 55.25
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 11 2.09 4.29 18.18 69.27
020130xxxxxxxx 後部・汎ぶどう膜炎 14.36
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 2.49
020370xx99x0xx 視神経の疾患 10.06

眼科の多くは予定入院で、最も多い眼瞼、涙器、眼窩の疾患では甲状腺眼症(甲状腺に関連した抗体が眼球の周りにある脂肪や目を動かす筋肉の中に存在し、それが標的となって炎症が起きている疾患)での入院となっています。
次いで白内障が多くなっており、DPCコード020110xx97xxx1は両眼の手術、020110xx97xxx0は片眼の手術が行われています。
次いでぶどう膜炎(瞳孔の調整をする虹彩、ピントを調節する毛様体、網膜に栄養を届ける役目のある脈絡膜の三つの組織から成り、これらの組織に炎症が起きた状態)となっています。

※「病院情報の公表」集計条件に基づき、患者数が10名未満の場合は「-(ハイフン)」で表記しています。

耳鼻咽喉科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 44 3.8 5.84 0 53.16
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 24 4.88 5.63 0 33.29
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 20 4.25 6.68 0 53.6
03001xxx99x3xx 頭頸部悪性腫瘍 18 9.44 26.52 0 55.61
100130xx97x0xx 甲状腺の良性結節 14 4.5 7.05 0 59.5

耳鼻咽喉科は、日常生活を送る上で重要な機能(聴力や平衡機能、または呼吸や嚥下)を司る〈耳、鼻、のど〉などの器官や、頭頸部領域(耳下腺、顎下腫などの唾液腺、舌、口腔底、咽頭、喉頭、甲状腺)の腫瘍が診療対象です。
発症から3ヶ月以上持続する慢性副鼻腔炎が最も多くなっています。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 48 4.83 5.16 2.08 65.52
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 48 6.88 7.77 2.08 74.23
110070xx03x20x 膀胱腫瘍 41 6.68 6.63 2.44 75.37
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 18 8.94 11.11 0 71.06
11001xxx01x0xx 腎腫瘍 16 10.63 10.12 0 69.31

泌尿器科では尿路・性器(腎、尿管、膀胱、尿道、前立腺、精巣、陰茎、陰嚢)に発症する疾患の治療を行っています。
手術療法では従来施行していた開腹手術、経尿道的内視鏡手術、腹腔鏡手術に加え、2018年よりロボット手術も導入しました。
上部尿路疾患(腎盂、尿管に生じる病気)、前立腺肥大症、膀胱腫瘍などの入院が多くなっています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

初発 再発 病期分類基準(※) 版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 30 10 19 10 1 8
大腸癌 47 32 74 60 24 1 7,8
乳癌 134 111 23 12 1 6,7,8
肺癌 47 53 55 22 1 7,8
肝癌 23 12 12 15 1 8

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

【定義】
5大がん(胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌)を病期(ステージ)ごとに分類した患者数です。医師が「がん(がん疑い)」と診断した時に1件とカウントされ、
①がんの大きさや進展度、②リンパ節転移、③遠隔転移の有無により病期が決定します。
・病期は数字が大きいほど「進行しているがん」となります。
・病期が「0(上皮内癌)」は集計対象外です。
・病期が「不明」の症例は、①~③のうち1つでも不明な項目がある症例を表し、不明な項目を明らかにするための検査・入院症例も含まれております。

※「病院情報の公表」集計条件に基づき、患者数が10名未満の場合は「-(ハイフン)」で表記しています。
【解説】
乳癌の入院患者数が最も多く、次いで、大腸癌、肺癌となっています。
当院は外科治療(手術)、放射線治療、化学療法(薬物療法)など、がんの種類や病期に応じてさまざま治療法を組み合わせる集学的がん治療を行っています。
多職種で編成された専門のチームで、患者さん一人一人に合わせた治療・サポートをしています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

患者数 平均在院日数 平均年齢
軽症 46 8.04 57.78
中等症 313 11.35 77.76
重症 120 14.99 83.29
超重症 21 15.24 84.14
不明

入院48時間以降に発症した肺炎「院内肺炎」に対して、病院外で日常生活をしている人がかかる肺炎を「市中肺炎」といいます。
患者平均年齢が高くなるにつれ重症度が高くなり、平均在院日数も長くなる傾向にあります。

※「病院情報の公表」集計条件に基づき、患者数が10名未満の場合は「-(ハイフン)」で表記しています。

脳梗塞の患者数等

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 230 14.38 75.59 47.89
その他 31 18.74 79.16 6.51

脳梗塞は脳に酸素や栄養を送る血管が細くなったり、詰まってしまう事によって脳が壊死、または壊死に近い状態になってしまう病気です。治療が遅れると重い後遺症が残ったり生命に危険を及ぼすため、発症後早期に治療を行うことが重要になります。
当院における脳梗塞の患者さんは、発症日から3日以内が88%を占めています。
当院では脳卒中地域連携パスを運用しており、患者さんが早期に家庭復帰・社会復帰できるよう、近隣の回復期リハビリテーション病床・療養病床を持つ病院や地域診療所と連携を取っています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

内科

Kコード 名称 患者数 平均術前日数 平均術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 221 1.02 5.64 4.52 73.98
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 139 2.03 3.97 2.16 71.03
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 61 0.9 4.3 1.64 64
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 54 0.2 12.07 3.7 68.91
K654 内視鏡的消化管止血術 50 1.58 10.66 20 73.1

内科では総胆管結石、急性胆管炎などに対して内視鏡的胆道ステント留置術を多く行っています。
虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)の循環器系の疾患に対しては、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を積極的に行っています。
当院は心臓カテーテル装置を2台有しており、標準的な治療であるバルーン拡張、ステント留置はもちろんのこと、最も良い治療が外科治療であれば、心臓血管外科、血管外科グループへ手術を依頼します。
急性心筋梗塞や不安定狭心症などの緊急を要する疾患に関しては昼夜を問わずに心臓カテーテル検査、治療を行っています。
その他にもペースメーカー移植術など数多くの症例をこなしています。

外科

Kコード 名称 患者数 平均術前日数 平均術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 152 0.37 3.06 1.32 60.68
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 109 0.62 2.06 0 62.9
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 107 0.05 1.36 0 64.8
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 68 0.15 2.41 0 34.51
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 64 6.02 8.44 3.12 70.39

外科では胆石、ヘルニア、虫垂炎などの良性疾患から乳がん、大腸がんなどの悪性腫瘍まで幅広い疾患に対して手術を行っています。
腹腔鏡や胸腔鏡での手術を積極的に行い、患者さんの身体に対する負担が少ない(低侵襲)治療を目指しています。
2019年度からはロボット手術も導入し、予定手術以外の緊急手術も多数施行しており、救急医療にも力を入れています。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均術前日数 平均術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(上腕) 151 2.43 18.55 72.85 78.39
K0821 人工関節置換術(股) 136 0.43 17.34 37.5 72.91
K0811 人工骨頭挿入術(股) 111 5.07 19.66 84.68 83.36
K0462 骨折観血的手術(前腕) 87 1.3 3.89 11.49 58.6
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 34 0.88 15.44 35.29 70.76

整形外科では、骨折観血的手術(ギプス固定では治療が難しい複雑な骨折や重度の骨折、関節の周囲の骨折などで行う外科手術)が最も多くなっています。
高齢化とともに高齢者の転倒による大腿骨骨折の手術件数が増加しています。
脊椎変性疾患(腰部脊柱管狭窄症など)に対しては脊椎固定術や椎弓形成術を行っています。

形成外科

Kコード 名称 患者数 平均術前日数 平均術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外・長径6~12cm)(6歳以上) 18 0 3.17 0 24.33
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 18 0 1 0 77.33
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) 15 0 3.6 0 48.73
K0064 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外・長径12cm以上)(6歳以上) 11 0 3.09 0 47.82
K333 鼻骨骨折整復固定術 10 0 1 0 24.5

形成外科では、皮膚、皮下腫瘍摘出術や眼瞼下垂症手術のほか、
乳腺外科と密接に連携して、乳癌術後の乳房再建手術を多く行っています。
顔面骨骨折や血管・神経損傷の修復など、救急医療においても治療を行っています。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均術前日数 平均術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 37 0.43 13.89 35.14 81.08
K164-5 内視鏡下脳内血腫除去術
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他)
K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭)(硬膜下)
K6092 動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈)

脳神経外科では主に硬膜下血腫に対して慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術(頭蓋から血腫を洗浄する手術)が行われています。
平均年齢は約81歳と高齢の患者さんが多くなっています。
急性期の治療後は近隣の医療機関と連携し、継続してリハビリ治療が行えるよう努めています。

※「病院情報の公表」集計条件に基づき、患者数が10名未満の場合は「-(ハイフン)」で表記しています。

心臓血管外科

Kコード 名称 患者数 平均術前日数 平均術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K5601ニ 大動脈瘤切除術(上行)(その他) 10 0.9 23.9 20 68.2
K5551 弁置換術(1弁)
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈)
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上)
K5602 大動脈瘤切除術(弓部)

心臓血管外科では身体の中で一番太い血管である大動脈のうち、心臓から出て上に向かう上行大動脈が膨らんだ状態(大動脈瘤)を切除する手術が行われています。次いで、心臓にある4つの弁に発症した閉鎖不全症や狭窄症に対して行われる弁置換術(1弁)が最も多く行われています。

※「病院情報の公表」集計条件に基づき、患者数が10名未満の場合は「-(ハイフン)」で表記しています。

産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均術前日数 平均術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 40 1.08 3.1 0 51.85
K861 子宮内膜掻爬術 29 0.17 1.03 0 50.52
K9091イ 流産手術(妊娠11週まで)(手動真空吸引法) 29 0.97 0.31 0 31.72
K867 子宮頸部(腟部)切除術 22 0.32 1.09 0 48.5
K877 子宮全摘術 18 1 6.22 0 52.44

産婦人科は産科部門と婦人科部門に分かれ、産科部門では出産に対する全分娩数の約20%を帝王切開術が占めており、分娩リスクの高い患者さんに対する予定帝王切開や通常分娩中に生じる緊急帝王切開にも対応しています。
婦人科部門では子宮ならびに付属器(卵管・卵巣)疾患、良性腫瘍に対しては腹腔鏡下手術も行っています。悪性疾患が疑われる場合など腹腔鏡下手術適応外の場合は開腹手術を行います。

眼科

Kコード 名称 患者数 平均術前日数 平均術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 14 0.07 1 14.29 68.93
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む)
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他)
K239 眼球内容除去術
K275 網膜復位術

眼科では白内障に対する水晶体再建術や糖尿病性増殖性網膜症、網膜剥離、黄斑、後極変性に対する硝子体茎顕微鏡下離断術を多く行っています。
手術施行後帰宅できる日帰り手術や入院日に手術を行い、翌日には退院する短期滞在手術が主流となっています。

※「病院情報の公表」集計条件に基づき、患者数が10名未満の場合は「-(ハイフン)」で表記しています。

耳鼻咽喉科

Kコード 名称 患者数 平均術前日数 平均術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 28 0 6.11 0 32.07
K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみ) 20 0 3.55 0 57.55
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 17 0 2.94 0 52.59
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 16 0 2.94 0 55.25
K4571 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術) 13 0 3.46 0 51.69

耳鼻咽喉科では慢性扁桃炎に対する口蓋扁桃手術(摘出)が最も多くなっています。
その他に4つの副鼻腔のうち、2つ以上の副鼻腔に対して行われる内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術、4つ全ての副鼻腔に対して行われる内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術)を多く行っています。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均術前日数 平均術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 58 1.03 4.97 1.72 72.9
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 49 1.31 2.76 2.04 65.31
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー等使用) 48 1 4.92 2.08 74.63
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 18 1 6.94 0 71.06
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 12 0.25 2.92 0 64.83

泌尿器科では膀胱がんや前立腺がんに対する手術症例を多く行っています。
膀胱がんに対して経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)、前立腺がんに対してロボット手術による腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術が行われています。
その他、尿路結石症に対して経尿道的尿路結石除去術(TUL)や体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、
前立腺肥大症に対して侵襲性の少ないレーザーを用いた経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術を行っています。
泌尿器科の上位5位の手術は平均年齢が69.7歳と高くなっています。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一 138 1.24
異なる 125 1.12
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 30 0.27
異なる
【定義】
入院期間全体を通して人的・物的医療資源を最も投入した傷病名と入院の契機となった傷病名が同じ場合は「同一」、異なる場合は「異なる」に分類されています。
【解説】
播種性血管内凝固症候群(DIC)
全身の細い血管に血栓(血の塊)ができて詰まり、臓器に障害が現れる病気です。
敗血症
感染症がきっかけとなって血液中に細菌が入り、全身に症状がでる重篤な病態です。
真菌感染症
真菌(カビ)は日常生活のあらゆる場所に存在している身近なものですが、免疫力が低下している場合などは感染症を引き起こします。
手術・処置等の合併症
手術や処置は細心の注意を払って行われますが、どの術式においても一定の確率で合併症が起こり得ます。
発生した場合には各専門の診療科と協力しながら治療を行います。

※「病院情報の公表」集計条件に基づき、患者数が10名未満の場合は「-(ハイフン)」で表記しています。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1557 1462 93.9

肺血栓塞栓症とは肺の血管にできた血の塊(血栓)が血流にのって肺の動脈に運ばれ、血管を塞いでしまう(塞栓)命に関わる病気です。エコノミークラス症候群とも呼ばれています。
周術期(手術が決定した外来から退院・社会復帰までの手術前後を含めた一連の期間)の肺血栓塞栓症の予防行為の実施は、発生率を下げることに繋がります。

血液培養2セット実施率

血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
6576 5817 88.46

血液培養は感染症の原因を特定するために行われる検査の一つです。
感染症は細菌や真菌が体内に侵入して引き起こされます。その細菌や真菌が血液中に存在しているかどうかを調べることで感染症の診断や治療に役立ちます。
診断精度を高めるために2セット以上行うことが推奨されています。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
773 664 85.9

広域抗菌薬は、多くの種類の細菌に対して有効です。
しかし、広域抗菌薬を使用し続けると抗菌薬が効かなくなる耐性菌が増えるため、短期間の使用が推奨されています。
血液培養検査を行うことで原因となる細菌を特定し、その細菌に効果的な抗菌薬を選び、より効果的な治療を行うことができます。
その結果、広域抗菌薬の使用が短期間となるため耐性菌の発生も抑制します。

転倒・転落発生率

退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
119051 302 2.54

転倒・転落の指標として、退院された患者さんの在院日数の合計と退院患者さんに発生した転倒・転落件数から転倒・転落発生率を算出しています。
今回(2024/6-2025/5)の発生率は2.54‰で、全国平均を下回る結果となっていますが入院中の患者さんの転倒やベッドからの転落は少なくありません。
その原因として、入院による環境の変化や病状の変化、治療・手術などによる身体的なものなど様々なものがあります。
当院では、安心して入院生活を送っていただけるよう、転倒・転落予防対策の実施と発生時の原因分析・再発防止に取り組んでまいります。

転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率

退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率

※「病院情報の公表」集計条件に基づき、件数が10件未満の場合は「-(ハイフン)」で表記しています。

手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率

全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
2449 2080 84.93

予防的抗菌薬投与は、手術後の感染をできるだけ防ぐために、抗生物質をあらかじめ投与することをいいます。
手術が始まる時点で、十分な殺菌作用を示す血中濃度が必要であり、切開の1時間前以内に投与を開始することが推奨されています。

d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率

退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
112223 147 0.13

褥瘡とは寝たきりなどの状態によって体重が同じ部位に長く加わることで皮膚が赤くなったり、ただれたり、傷ができてしまうことです。
皮膚は外側より表皮、真皮、皮下組織となっており、日本褥瘡学会 褥瘡状態判定スケールのうち、損傷の深さ(Depth)は
d0(皮膚損傷・発赤なし)、d1(持続する発赤)、d2(真皮までの損傷)、
D3(皮下組織までの損傷)、D4(皮下組織を超える損傷)、D5(関節腔、体腔に至る損傷)、
DDTI(深部損傷褥瘡(DTI)疑い)、DU(壊死組織で覆われ深さの判定が不能)に評価されます。

65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合

65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
6515 972 14.92

当院は、入院患者に対し早期に多職種で栄養スクリーニング・栄養管理を実施しています。
2024年度よりGLIM基準(低栄養診断基準)を導入しました。適切な栄養管理をすることで回復支援と合併症予防に役立ちます。

身体的拘束の実施率

退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
119051 1961 1.65

2024年6月より院内で身体拘束最小化チームを立ち上げチーム活動を行っています。
身体拘束最小化に向けて毎日多職種カンファを用い、不必要な身体拘束を行わない、または早期解除に向けて活動しています。

更新履歴
2025.09.29
令和7年度 病院指標を公開