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形成外科シリーズ ⑬ 顔面神経麻痺(がんめんしんけいまひ)

■顔面神経麻痺とは■


顔の表情を作る筋肉を顔面表情筋といい、これらは顔面神経によって動きがコントロールされています。けがや病気によって顔面神経が障害されると、おでこ、眉毛、まぶた、頬、口などの顔の一部またはすべての動きが止まっていまいます。
顔面神経麻痺になると、顔が左右不対称になり。コミュニケーションに大きな支障がでます。また、機能的にも、様々な症状が出現します。

■治療の時期■


顔面神経が単純に切れて麻痺がおこった場合は、できるだけ早く、その部分を縫い合わせたり、他の部位から神経をとってきて間に移植したりして治療します。
長時間経ってしまった場合や生まれつきの場合は、顔面神経自体の修復は難しいので、他の方法で麻痺による症状を改善させます。それには静的再建術と動的再建術とがあります。

■静的再建術と動的再建術■


静的再建術というのは、上まぶたの垂れ下がりにたいして上まぶたの皮膚を一部切り取ったり、眉毛や口角の垂れ下がりに対して筋膜、糸などを皮膚の下に移植したりして吊り上げる治療の事を言います。目がちゃんと閉じられるようにするために金製の小さいおもりを上まぶたに埋め込む手術もこれに属します。これらの治療には顔面を積極的に動かして表情運動を回復させる効果はないので静的手術と呼ばれます。

一方、動的再建術というのは、麻痺した顔面の筋肉にかわる動力源を導入する方法で、ものを咬む役目をする筋肉(側頭筋)の一部を移行したり、身体の他の部位から筋肉を取ってきて移植したりします。移植する筋肉としては、取っても障害の少ない広背筋(わきの下)や薄筋(大腿部内側)などいろいろな筋肉が用いられています。顔面神経麻痺の症状は顔面全体に及ぶので、通常は静的手術と動的手術の両方を利用して治す必要があります。

(日本形成外科学会HPより改変・引用)

 

広背筋移植による口の動きの再建

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