ホジキンリンパ腫およびその類縁疾患における免疫関連遺伝子発現の臨床病理学的意義

テ ー マ : 「ホジキンリンパ腫およびその類縁疾患における免疫関連遺伝子発現の臨床病理学的意義」
研究期間 : 倫理審査委員会承認日 ~ 2022年3月31日
対  象 : 2002~2018年の間に新規発症し治療が行われたHLおよび類縁疾患の方

本講座ではこのたび上記テーマ (申請者: 琉球大学大学院医学研究科細胞病理学 教授 加留部謙之輔)の臨床研究を行うこととなりました。リンパ系悪性腫瘍(いわゆる悪性リンパ腫)は血液のがんの中でも最も頻度が高いものであり、沖縄県においても毎年多数の方が発症されています。リンパ系悪性腫瘍は何十もの細かい分類(亜型といいます)に分かれますが、その亜型によって、治りやすいものと治りにくいものがあります。その中でホジキンリンパ腫は他のリンパ腫と治療法も異なっており、その病態に注目が集まっています。また、ホジキンリンパ腫には診断がしばしば困難な類縁疾患が多くあり、それらの診断基準を明らかにすることも課題です。今回当講座では、ホジキンリンパ腫およびその類縁疾患をターゲットにして、腫瘍の生物学的特徴と臨床所見の関係性を明らかにする研究を行います。遺伝子異常などの腫瘍細胞の性質が症状や治療の効果にどれほどの影響を与えるかがわかれば、将来的にホジキンリンパ腫の患者さんの治療や診断に大きく貢献できると考えられます。

この研究は、ホジキンリンパ腫およびその類縁疾患の患者さんから診断のために採取された検体の”残り”を活用します。このように、この研究のためだけに新たに組織を採取し直すことはありませんので、患者さんの負担が増えることはありません。今回の研究では、主に免疫に関連する遺伝子に注目してホジキンリンパ腫およびその類縁疾患の病態を解析しますが、研究の過程で興味深い知見が得られた場合は、さらに別の視点から解析を追加する可能性があります。これを検体の二次利用と言いますが、この場合は、その二次利用を用いた研究計画を社会医療法人敬愛会の倫理委員会で改めて審議して、承認を受けた後に進めます。

保存する検体には保存のための別の番号が付けられます。その検体番号と病院名、施設内ID番号、病型、性別とが連結可能な形で、管理台帳ファイルに管理・保管されます。管理台帳ファイルは当院内でパスワードをかけたコンピューター内で保管され、第三者が患者さんを特定することはできません。この研究に参加された方々の年齢や性別、検査結果などは学会や論文で公表・使用されることがありますが、個人が特定されることはありません。また、この研究の記録が適切に残されていることなどを確認するために、当院の関係者が診療記録を見せていただき、内容の照合を行うことがあります。

本研究は社会医療法人敬愛会の倫理委員会で承認を受けています。使用に同意されない場合は自由に使用の拒否ができますし、それによって診療の内容が影響することは一切ありません。

ご不明な点は、以下にお問い合わせください。
【社会医療法人敬愛会 中頭病院 血液腫瘍内科】
医師 林 正樹 (はやし まさき)
TEL: 098-939-1300
FAX: 098-937-8699